初花月に

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...... 2016年07月22日 の日記 ......
■ 翻訳とかB   [ NO. 2016072201-1 ]


『羊たちの沈黙』(The Silence of the Lambs)

原文(物語の冒頭):
 Behavioral Science, the FBI section that deals with serial murder, is on the bottom floor of the Academy building at Quantico, half-buried in the earth. Clarice Starling reached it flushed after a fast walk from Hogan's Alley on the firing range. She had grass in her hair and grass stains on her FBI Academy windbreaker from diving to the ground under fire in an arrest problem on the range.
 No one was in the outer office, so she fluffed briefly by her reflection in the glass door. She knew she could look all right without primping. Her hands smelled of gunsmoke, but there was no time to wash --- Section Chief Crawford's summons had said ”now”.

菊池 光訳:
 FBIの中で連続殺人事件を扱う行動科学課は、クワンティコのFBIアカデミイの建物のいちばん下にあって、半ば地中に埋っている。クラリス・スターリングは射撃訓練場のホゥガンズ・アリイから急いで歩いて来たので、着いた時は顔が紅潮していた。訓練場での逮捕演習で、射撃を受けてはパッと地面に伏せていたために、髪に草が付き、FBIアカデミイのウィンドブレイカーに草のしみがついていた。
 表のオフィスに誰もいなかったので、ガラス戸に映った自分の姿を見ながらさっと髪に指を通した。とくにめかさなくても自分が見苦しくないのは判っていた。両手が硝煙でにおっているが、洗っている余裕はない---クローフォド課長からの呼び出しは<直ちに>ということだった。

高見 浩訳:
 FBIで連続殺人を扱う行動科学課は、クワンティコのFBIアカデミー校舎の最下階にあり、半ば地中に埋もれている。クラリス・スターリングはホーガンズ・アリーに接した射撃訓練場から急いで歩いてきたため、着いたときは頬が紅潮していた。髪に草が付着し、アカデミーのウィンドブレーカーにも草のしみがついていたのは、訓練場での逮捕演習で、銃火を浴びては地面に躍りこんでいたせいだった。
 手前のオフィスにはだれもいなかったから、ガラスのドアに映った自分を見て、髪をちょっとふくらませた。それ以上気を使わなくても、見苦しくないはずだ。両手には硝煙の臭いが残っていたけれど、洗っている暇はなかった---クロフォード課長からかかったのは、至急こい、という呼出しだったのだから。

  (続く)

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