
一般財団法人 広島県環境保健協会は廿日市市が宮島(厳島)の鹿に関する調査を委託している団体である。問い合わせをしたのは3度目くらい。応対してくれるI氏は、宮島の鹿については自分が最も詳しいと豪語している。 最近耳にした地元メディアの報道(「市街地での鹿の頭数が減少し、市による餌やり禁止の方針が功を奏している」)について質問。 鹿は山林と市街地の間を移動していて、市街地に来る鹿は減少したが、総数は変わっていない、島の北東部に約500頭生息していると考える、とのこと。 (鹿は夏〜秋は大体山で暮らすとされているが、山に分け入って鹿の頭数を調査することはしてはいない) 「山林には鹿の食べ物となる植物が充分にあるのか?」との質問に対しては、あると考えているとのこと。 (山は調査していないと言ったのだけれど・・・) I氏は宮島の鹿について本当に知識が豊富で、確信を持って発言しているのかもしれないが、そこに万人を納得させる確かな根拠があるとは言いにくい。 いろいろ話す中で、飢えが原因で死亡した鹿がいることは認めた。分かりやすい例としては、検死の際に胃の中が空(から)だった鹿が見られたとのことだった。 そしてさりげなく質問。「市がこのまま方針を変えないなら、鹿は(飢えのために死亡して)もともと自然の中で自立して生きていた数まで減少するのではないか?」 これに対してはYES。矛盾した答である。この人と話すと、いつも妙な違和感を覚える。実は何か重大な事実があって、それを伏せているような印象がある。 (山を調査するための予算があるのかどうかは訊くのを忘れた)
余談: 厳島神社については、平清盛をはじめ平家一門が篤く崇敬したことはよく知られているが、どのような神様を祀っているかは知らない人が多い。祭神は「宗像三女神」と総称される市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)である。 実際に宮島がそのような神々が住まう場所だとしても、飢えに苦しむ鹿を救ってくれる神様ではないように思える。
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