初花月に

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...... 2017年05月31日 の日記 ......
■ 宮島(厳島)の鹿について:雑感   [ NO. 2017053101-1 ]


 一般財団法人 広島県環境保健協会に問い合わせ・・・しようとしたら、宮島の鹿の調査を担当している方が不在とのことで、広島市安佐動物公園の獣医師に話を聞いた。(以前に鹿の食べ物について教えていただいた医師とは別の方だった。)

Q:宮島(厳島)の鹿は廿日市市の方針で餌やり禁止になっていますが、そうすると市街地やその周辺にいる鹿たちは食べ物を探しに山奥へ移動するのでしょうか?
A:移動する鹿もいると思いますが、人間の食べ物の味を覚えると嗜好性が変化し、そういうものを求めるようになって、もともといた場所に留まると考えられるので、一概には言えません。

Q:市街地周辺では原則的に人から食べ物をもらえないので、食べられる植物が不足しているとすれば、鹿は栄養状態が悪くなると思われますが。鹿の調査をしている方は、調査範囲の鹿は低栄養状態だと見ているとのことです。
A:そうなりますね。外見的には痩せて毛並が悪くなり、出産率も低下します。

Q:鹿が死亡した場合、検死はほとんど行われていないのですが、栄養状態の悪い鹿は体力や免疫力が低下して病気にかかりやすくなり、それが死亡の原因になるのではないかと自分は考えているのですが。
A:事故などで致命的な怪我を負ったのでなければ、そのように考えてよいと思います。

Q:鹿の頭数管理のために避妊・去勢を求める声もありますが、そのためのワクチンやホルモン剤のようなものはありますか?
A:海外では実際にそのような薬剤の注射で頭数制限を試みているところもありますが、日本ではまだ実験段階で、避妊・去勢となると手術をすることになると思います。
Q:そういう手術が鹿の身体に悪影響を及ぼすことはありますか?
A:技術のある獣医師が手術を行なえば、その心配はないと思います。むしろ鹿の数を考えると、捕獲なども含めて、人間のほうが大変になるしょう。
(費用や労力、人員確保など、いろいろ負担がかかるということなのだろう。)

Q:愛媛県の鹿島では、野生の鹿の一部を鹿園で保護・飼育していて、鹿園を増設する予定があり、その場合は雄と雌を分けて頭数管理をすることも検討されるとのことです。そちらにはニホンジカはいないと聞いていますが、今後少数でも受け入れることは可能ですか?
A:何年か前まではニホンジカもいたのですが、宮島で鹿が見られるという理由もあり、飼育は取りやめになりました。残念ながら、今のところ鹿を受け入れる余地はないと考えます。

 ここの獣医師の方々はいつも親切にいろいろ教えてくださるのでありがたく思う。
広島市安佐動物公園の公式サイト
http://www.asazoo.jp/

(画像はニホンジカの代わりに導入されたチーターと、シカ科で飼育されている唯一の動物、キョンです)

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