初花月に

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...... 2016年06月03日 の日記 ......
■ 詩とか   [ NO. 2016060301-1 ]


 この日記はTwitterだけでなく他のSNSからも閲覧できるようにしてあるので、日記らしいことを書こうと思い・・・

 自分は以前に詩を書いていたりしたから(全国区で活字になったものは少ない;)、好きな詩人である中原中也の有名な詩を紹介しておこうと考えた。

 朝の歌

天井に 朱(あか)きいろいで
  戸の隙(すき)を 洩(も)れ入(い)る光、
鄙(ひな)びたる 軍楽(ぐんがく)の憶(おも)い
  手にてなす なにごともなし。

小鳥らの うたはきこえず
  空は今日 はなだ色らし、
倦(う)んじてし 人のこころを
  諫(いさ)めする なにものもなし。

樹脂の香(か)に 朝は悩まし
  うしないし さまざまのゆめ、
森竝(もりなみ)は 風に鳴るかな

ひろごりて たいらかの空、
  土手づたい きえてゆくかな
うつくしき さまざまの夢。


 この詩は高校一年の時の現国の教科書に載っていたので、よく憶えていた。
「はなだ色」とはどういう色なのかわからなくて調べてみると、↓のようなものだった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B8%B9

 この詩の解説を読むと、「小鳥らの うたはきこえず 空は今日 はなだ色らし」という一節は、”小鳥たちがさえずり始める早朝の時刻はとうに過ぎ、日が昇って青い空が広がっているという状況”とのことなので、晴れた日の青空をイメージしたのでよいと思われる。

 十四行の詩を四連に区切り、四行、四行、三行、三行としている。
 言葉の使い方や連の区切り方(特に三連目と四連目の間)の巧みさだけ見ても、天才詩人の感性がうかがえる気がする。

 ちなみにこの詩は試験に出題された。

 問い:この詩の中には「し」という文字がいくつあるか。
 (正解者は少なかったと思う。)

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