愛媛県立とべ動物園に問い合わせ (ここは人工哺育での最長飼育期間を更新中のしろくまピースがいることで有名) 電話をした時、獣医師は多忙で、”副主任”だという女性が応対した。
Q:そちらにはシカ舎があるが、ニホンジカは飼育しているか? A:ニホンジカの飼育も行なっている。
Q:鹿の餌としてはどのようなものを与えているか? A:干し草、野菜(主に根菜類)、固形飼料などを中心に与えている。また、イタリアンライグラスを植えて鹿が食べられるようにしている。
Q:野生のニホンジカが自然界で食べている植物とは異なるものもあるが、今の飼料で鹿が体調を崩したり、病気になったりすることはないのか? A:そのようなことが起こらぬよう努めるのが我々の仕事である。餌の内容は、鹿の身体を充分考慮した上で決められたものである。
(ごもっとも。大抵の動物園には鹿がいるだろうし、鹿にとって適切な給餌が行われているものと思われる。野生動物である鹿に、人が適切な餌やりをするということは可能なのである。)
広島市安佐動物公園に問い合わせ K獣医師に訊く
Q:厳島(宮島)では、野生の鹿がゴミを食べることが問題になっている。鹿がゴミを食べるというのはどういう状況なのか?飢えが原因とも思われるが、餌が充分にある奈良の鹿もゴミを食べることがある。 A:野生の鹿は、本来はその生息地の植物を食べているが、鹿が人里に来たりして人と接することに慣れると、人が残すゴミを食べ物と誤認して食べてしまうということは起こりうる。ゴミに食べ物の匂いがついていることも原因になると思われる。
Q:宮島の鹿には有志の方が定期的に餌やりを行なっていて、鹿の食べ物は呼びかけにより全国から送られてくる。その内容は、ドングリ、葛の葉、圧ぺんコーン、麦、乾燥おからといったものであるが、これらのものを食べることで鹿の健康が害されるようなことがあると思われるか? A:前述のように、野生の鹿は生息域の植物を食べているので、質問のようなものは必ずしも主食とは言えないが、自然のものやそれに近いものであるから、バランスよく与えて食べ過ぎないように注意すれば問題はないと思う。
野菜については、根菜類のほかブロッコリーの茎以外の部分は硝酸塩の含有量が少ないと教えていただいた。
再び前記のブログ(「動物の解放」宮島の鹿について)より: ”2010年、廿日市市が、死んだ鹿4体の解剖を行ったところ、すべてで、胃に大量の異物が蓄積されており、うち2体では異物が3kgを超えていたそうです。”
鹿が異物(ゴミ)を餌と誤認して食べたとしても、本来の食べ物が充分にあれば、上記のようになるまでゴミを食べる必要があるだろうか。この死んだ4頭の鹿に限って言えば、ゴミの他に食べるものがほとんどなかったと考えるのが妥当だと思う。
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